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ぐるなび

クラブミシュランイベントレポート

2017.8.2

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去る2017年7月26日、CLUB MICHELIN初のコラボレーションディナーが開催されました。2012年に引き続き『ミシュランガイド北海道2017特別版』にて三つ星に輝いた「モリエール」と、『ミシュランガイド東京2017』で二つ星の「レフェルヴェソンス」による夢の饗宴。6月下旬に募集を開始したところ応募が殺到し、用意した35席が約1時間で完売するということとなりました。

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コラボイベントの開催が決定したのは2017年の4月上旬。『ミシュランガイド北海道2017特別版』発刊を記念し、“北海道”をテーマにしたイベントを開催したい、というのが発端でした。まず最初に名前が挙がったのが、北海道が誇る札幌の「モリエール」。同店は北海道唯一の三つ星であり、“フランス料理界の巨星”と呼ばれた料理人、アラン・シャペルが認めた店として、食通なら誰もがその名を知るフランス料理の名店です。

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当日は始終リラックスモードだったおふたり。左が「レフェルヴェソンス」の生江氏。右が「モリエール」中道氏

5月上旬に東京から札幌へ、今回のイベントの依頼をしに伺うとオーナーシェフの中道博氏は「会員の皆さんが喜んでくれるなら、喜んでお手伝いさせてください」と底抜けに明るい笑顔で快諾してくださいました。初回の打ち合わせから「7月だから、お土産には北海道の野菜を持って帰ってもらいたいな」「プレゼンテーションにも『モリエール』らしさを盛り込んで驚かせよう」「料理で、イベントで、今度は北海道に来てみたいと思ってもらえるようにしたい」など、どんどんアイデアが膨らんでいきました。

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スペシャルなイベントの舞台は、東京・表参道の閑静な路地に佇む「レフェルヴェソンス」
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そんな「モリエール」とのコラボレーションの相手を務めたのは東京・表参道にある二つ星「レフェルヴェソンス」。今、世界で最も注目を浴びている日本人シェフのひとりといっても過言ではない、生江史伸氏がエグゼクティブを務めるフランス料理店です。生江氏にとって“北海道”は料理人として非常に強い縁のある土地でした。

2003年、北海道・洞爺の「ミッシェル・ブラス トーヤ ジャポン」にてミシェル・ブラス氏から、“自然から料理を創造する”というフィロソフィーを受け継ぎ、研鑽。また、「モリエール」のトップシェフ、今 智行氏とは同時期に在籍していた仲間でもありました。このようないくつかの縁から、“「モリエール」との饗宴相手は「レフェルヴェソンス」しかありえない”と、今回のコラボレーションの実現へと繋がったのです。

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今回のスペシャルコラボレーションディナーでは全部で11品の料理が提供されました。一品目は「アップルパイのように~北海道産雲丹、江戸前穴子、海苔~」(レフェルヴェソンス・写真上)。まず、ゲストの目の前に真っ赤な長方形の箱が置かれました。熱気を帯びた箱を開けてみると、なかから熱々のパイ包みが。

手で摘んで口に運ぶと、サクッとした食感の後からサンドされた北海道産の雲丹と江戸前穴子が登場しました。磯の香りと、パイ生地のバターの甘みが絶妙な味わい。こちらは北海道と東京の産地をコラボレーションがコンセプトの一品。ワクワク感とサプライズに満ちた幕開けです。

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2品目は「とうもろこしの冷たいスープ」(レフェルヴェソンス・写真上)。「ドルチェヘブン」という超高糖度を追求したとうもろこしを使用した冷製スープです。こちらは1年のうち、2~3週間しか収穫することのできない希少価値の高い品種。ひと口飲んでみると、フレッシュで瑞々しい喉越しと、クリーミーでいてフルーツのような甘さに思わず感嘆の声が。まさに“今”しかいただけない贅沢なアミューズです。

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3品目は先述した生江氏の古巣「ミッシェル・ブラス トーヤ ジャポン」のスペシャリテを、今回のイベントのために再構築したという特別な「ガルグイユー」(写真上)。80種類以上の野菜やハーブを使用しており、それぞれの素材を別々の調理法で仕立ててからバターで仕立てています。

「僕の料理はここから始まっているのかもしれません。5年ぶりに作りました」と生江氏。「レフェルヴェソンス」でこの一皿が登場すること自体が非常に稀有なプレゼンテーションでした。

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続いて4品目は「北海シマ海老」(モリエール・写真上)。年に二回、夏は6月末から7月いっぱいまでしか捕獲できない、北海道・野付湾産シマ海老のボイルを、豪快に手づかみでいただきます。体に縞があることからシマ海老と呼ばれ、体の色は茶褐色ですが、ゆでると鮮やかな赤に変わることから「海のルビー」とも呼ばれています。ゆで汁に入った塩のみで味付けされており「その時季においしいものを、なるべく素材そのものがもつ旨みで味わってほしい」という中道氏の気持ちが込められている一品。

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5品目は「松前産アワビ」(モリエール・写真上)。「モリエール」のスペシャリテであるエゾアワビのソテーです。ひと口目は、アワビの周りにまぶしたイカスミパン粉の、サクッとした香ばしい食感を楽しんで。続いてふっくらしつつも弾力のある歯ごたえを感じ、口のなかにアワビの旨みが広がっていきます。後半は同じくイカスミで仕上げたリゾット、添えた木の芽と一緒に。バターと木の芽の香りがプラスされ、美味である以上に、構成の妙を感じずにはいられない一品です。

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6品目は「白糖産蝦夷鹿」(モリエール・写真上)。鮮やかなグリーンのソースといっしょに鹿肉がサーブされました。一口いただくと弾力のある歯ごたえと、噛むほどに甘みとレバーのような味わいが。「こちら、新鮮な状態でしか食べることのできない鹿の心臓なんです」とギャルソンが微笑みながら説明していました。

「モリエール」の鹿は「釧路・白糠(しらぬか)町の松野穣さんから仕入れており、この方は日本だけでなく、世界でも名の知れたハンター。首から上しか狙わない“ネックショット”という手法で仕留めるため、鮮度の高さがほかのものとはまったく違うのだそう(「レフェルヴェソンス」でも夏場は松野さんの鹿を使用)。

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今度はエゾ鹿のローストが登場(モリエール・写真上)。こちらは肉質のきめ細かなエゾ鹿の中でも、特に繊細で柔らかい部位であるロースを使用しています。肉質の緻密さ、繊細さに合わせたジェニパーベリーの赤ワインソースが絶妙にマッチ。つけあわせの馬鈴薯グラタンを一緒にいただくと、どこか懐かしいほっとする味わいに変化します。サイドに添えられたナスタチュームの下にはリンゴのコンポートも。一皿でいろいろな味わい方をチョイスできる、おいしくも楽しい一品。

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残りの4品はデザート。「レフェルヴェソンス」による「富良野メロン、ヨーグルト、洞爺くるま薬草、カフェ」(写真上左)はメロンのヴェールで包み込んだようなフォトジェニックなクレープ。糖度の高いトマトをコンポートした「トマトベリー」(写真上右)、「イチジクのチョコレート」(写真下左)、一粒40~50gを超える大粒の北海道産いちご「夏瑞」(写真下右)の3品は「モリエール」によるもの。

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北海道をはじめとした日本ワインや日本酒とペアリング。各皿、担当した店のソムリエが最高の1本をセレクトしている
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参加者には、北海道・美瑛のとうもろこし2本と、「レフェルヴェソンス」のパウンドケーキをお土産にお渡し

今回クラブミシュランとして、初めて開催した「コラボレーションイベント」でしたが企画当初はどのような会にすれば、会員の皆さまに喜んでいただけるか葛藤する日々でした。

結果、クラブミシュランでしか体験できない“ここでしか味わえないお食事”を提供することで、会員の皆さまに非常に満足いただくことができました。これからもクラブミシュランとして、会員の皆さまにより楽しんでいただけるようなイベントを企画してまいりますので、どうぞご期待ください。


イベント応募詳細についてはこちら(受付は終了)

撮影・取材/クラブミシュラン 岡久加苗(ぐるなび)

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