特集

ぐるなび

わざわざ出かけたい国内グルメ旅

2017.8.28

今回の旅の目的地は宮城県。2017年7月の『ミシュランガイド宮城2017 特別版』の発刊を記念して、宮城県のグルメと魅力を【前編】と【後編】2回に分けてお届けします。

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東京駅から東北新幹線「はやぶさ」に乗り込むと、仙台駅まで最短1時間40分で到着。東京と宮城県は直線距離で約304km北上した位置にある。東京の気温が30度だとすると、仙台は27~28度。実は宮城県の観光PRのコンセプトは「涼・宮城の夏(りょう・ぐうじょうのなつ)」。“海・山・川からグルメまで、宮城の夏はひんやり涼しい玉手箱”というキャッチフレーズのもと、夏の観光誘致を行っている。土壌豊かで米どころ、名湯が多く大自然のなかで心身ともにリフレッシュできる、避暑地宮城。新しく星に輝いた日本料理と、新ジャンル「牛タン料理」の名店をご紹介する。


【りんたろう】志高き料理長が腕をふるう、コストパフォーマンス抜群の日本料理

仙台駅から地下鉄で一駅、あおば通駅から徒歩6分ほどの閑静な場所に日本料理「りんたろう」はある。真っ白な壁に屋号名の「りんたろう」の文字があしらわれ、入り口は長い暖簾で覆い隠されたスタイリッシュな建築だ。その高級感漂う佇まいは、初見だと「敷居の高そうなお店だな」と感じるかもしれない。

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しかし、こちらの日本料理は一つ星でありながら、ランチなら1,000円(税別・以下同)からいただけるという、驚くべき高コストパフォーマンスの店。昼は定食スタイルで、毎日行列ができるほどの人気ぶり。コース料理のみ、前日までの予約でいただくことができる。

そしてここは『ミシュランガイド宮城2017特別版』で一つ星に輝いた11軒の中で一番若い料理長がいる店でもある。料理長は今年で30歳の水本尚希氏。28歳の若さで「りんたろう」の料理長を任され、また2年で店を一つ星に導いた新進気鋭の料理人だ。

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岩手県出身の水本氏は大学卒業間近に、東京の名店の技術はどんなものかと、赤坂にある一つ星日本料理「とゝや 魚新」へ食事に行った。美しいプレゼンテーション、繊細な味わい、素材の使い方に感動し、大学のあった仙台に戻ってから、すぐ電話でお礼の電話と修業を申し込んだそうだ。

「とゝや 魚新」では約3年半、日本料理の基礎を学んだ。もともと、4~5年で奥さんの地元である宮城に戻る予定だったので、残りの1年半は当初は表参道にあった三つ星の日本料理「えさき」(現在は山梨へ移転準備中)で研鑽を積んだ。仙台に戻ってからは焼肉の人気店「米沢牛焼肉 仔虎」で1年、肉の捌き方を勉強し、そして現在の店「りんたろう」に至る。魚に、野菜に、肉に。その道のエキスパートたちから技術を学び、自らの能力で磨き上げたのが「りんたろう」の料理だ。

今回はおまかせコース(6,000円~)の中から、「りんたろう」おすすめ、全9品8,000円のコースのうち4品を紹介する。まず1品目は先付けの「とうもろこし豆腐」。宮城県産のとうもろこしと酒と醤油をミキサーにかけ、卵黄とゼラチンでキューブ状の茶碗蒸しのように仕立てた一品。夏の香りが相性の良い、赤万願寺とうがらしのソースをかけたところに、焼いたとうもろこしとキヌサヤを沿えて。とうもろこしの濃厚なうま味と香りが口のなかに広がり、さっぱりした上品な甘さが続く。

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続いて出てきたのは宮城・七ヶ浜町花渕浜のムラサキウニ。花渕浜はウニの餌となる海藻が豊富なため、身入りがよく色調のいいものが多く獲れるそうだ。まぶされているのは昆布だしと青海苔のシャーベット。磯の香りが広がり、まるで船上から獲れたてのウニを、海水で洗って食べているよう。

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次は「松島の穴子の白焼き」。ひと切れは、穴子の香りとふんわりとした食感と香ばしさをそのまま味わい、ふた切れ目はわさび酢に一杯(いっぺん)醤油をあわせた酢タレでいただくのがおすすめ。今回のコースには酢の物がないので、暑い夏は酸味の効いたものを食べて欲しいという想いから、アレンジされた一品。セロリの茎の土佐酢漬けと、葉の部分を刻んだ佃煮を副菜に。さっぱりした酸味が穴子の脂をすっきりした味わいに変えてくれる。

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最後は「蒸あわびとホタテ、姫サザエの旨煮」。アワビとホタテの下には、炊き込みご飯のように炊いたミネラルたっぷりの黒米が。オクラのたたきを加えて食感に粘り気をプラスしている。上にはアワビと一緒に炒めた加賀太キュウリとインゲンが添えられているが、実は日本料理で“炒める”ことは少し珍しい調理法。これは修業先の「えさき」で学んだ技術。炒めることで抑揚の少ない日本料理の流れにアクセントをつけることが出来るのが面白い。水本氏が香りが似ていると考えている、アワビとキュウリを油で炒めることでさらに相性のよさが増す。アワビとホタテは三陸産、サザエは山形産、黒米は秋田産と東北の夏の磯の景色を皿の上に表現している。

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高い技術と、厳選した東北の素材を使った料理は、若い料理長への信頼を高める武器となった。「りんたろうのお客様には年配の方や、おいしいものを食べなれている方も多いので、若さゆえに苦労したことも少なくありませんでした。でも、今回一つ星をいただけたことは、自分の信じた料理を作り続けてきたことが間違いではなかったのだと励みにもなりました。今は若さを生かして、料理に真摯な姿を、その一皿を通してお届けしたいと思っています。また、その一皿から“幸せ”を感じていただけるよう、精進してまいります」。

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カウンターのほかにテーブル席が3席とラウンジ席が2席。ラウンジ席(写真上)のスタイリッシュな椅子やソファーは若い世代のお客さんにも人気だそうだ。乳幼児もがOKなのもうれしいポイント


【牛タン料理 閣】仙台を代表する厚切り牛タン料理の名店

『ミシュランガイド宮城2017 特別版』では宮城ならではの新しいジャンル「貝料理」、「牛タン料理」が追加されている。宮城に訪れた観光客の多くが目当てにするという「牛タン料理」。今回紹介するのは、地下鉄・あおば通駅から徒歩3分の場所にある「牛たん料理 閣」だ。

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地元民や観光客で賑わうぶらんどーむ一番町商店街を歩くと、オレンジ色の看板が目に入る。店はビルの地下一階にあり、17時のオープン前からすでに行列ができることも。開店と同時に満席ということも多い、仙台屈指の人気店だ。日本全国から選りすぐった備長炭で焼き上げる、ジューシーな厚切りのタンが特徴。店内はカウンター席と小上がりとで、全44席ほど。

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まず最初にいただいたのはお通しになっている「たんの角煮」450円~(税別・以下同)。「柔らかくするために6時間以上煮込むので、何回も灰汁とります。うちで一番手間がかかるメニューかもしれません」と中田さん。タンに甘みを加えるためにだしには玉ねぎや人参、セロリなど、5~6種の野菜を加えて煮込むという。タンは箸で解れる柔らかさに仕上げられており、弾力のある身にプルンとした甘みのある脂身が美味。お通しからこのレベルの高さとは、ほかの料理への期待が高まる。

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続いていただいたのは「トマトサラダ」800円。一年中出回るトマトだが、紫外線から肌を守るリコピンも豊富で、旬の夏にこそ食べたくなる一品。ほぼ同じ幅に薄く切られたトマトを、秘伝のドレッシング(作り方は門外不出)をたっぷりつけていただく。野菜をたくさん使っているので甘みがあり、トマトの酸味との相性が抜群。

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こぶし大ほどの大きさの北海道産のトマトをまるごと1個使用。甘みと酸味のバランスの良く、トマト本来のうま味を楽しめる
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そして、店を訪れた人8割近くが注文するという「たんたたき」2,400円。開業当時は、どこも牛タン焼き一本の店ばかりだったが、「牛たん料理 閣」が初めて「牛たん刺身」と「牛たんたたき」をメニューに加えたのだという。まず、見た目の美しい霜降りに驚かされる。軽く炙った表面にはこんがりとした焼き目が付いているが、中はキレイなピンク色の仕上がり。ひと口食べると今度はその柔らかさに驚かされる。筋っぽさはまったくなく、噛むほどにジューシーな肉の味わい。ネギや玉ねぎスライスと一緒に食べると、脂が和らいでさっぱりした味わいに。1皿で約2人前のボリュームがあるので、シェアしていただくのもおすすめ。

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最後はお目当ての「たん焼き定食(5枚)」1,700円。タン焼き5枚に、麦ご飯と白菜のお漬物、スープがついてくる。スープは国産牛テール肉を数時間じっくり煮込んだ、コラーゲンたっぷりのテールスープ。厚切りのタン焼きは、備長炭による高温の火力で肉のうま味を閉じ込めており、噛む程に程良い弾力と、ジューシーなタンのうま味をしっかりと感じられる。厚切りでも食べやすいよう、程よく切れ目が入っているのもポイント。

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接客を担っているのは店主の母親である中田和子さん。優しくて温かい対応は常連客からの信頼も厚い。「牛タンは美容や健康にもとてもいんですよ。たんぱく質・鉄分・ビタミンA、など体作りに欠かせない栄養素が豊富に含まれているしカロリーだってほかのお肉に比べて低いんです。うちの牛タンを食べていただいて、もっと仙台を好きになってくれるとうれしいです。カウンター席もあるので、お一人でもお気軽にいらしてください」。

【行列攻略ポイント】

平日なら2名より予約も可能。土曜・祝日は混雑することが多いが、開店前と20時以降がねらい目だそう


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【抽選で3名様に!】宮城のお土産プレゼントキャンペーン

※宮城のお土産プレゼントキャンペーンは9月15日(金)に終了いたしました。 たくさんのご応募ありがとございました。

2017年8月30日(水)掲載の「癒しとグルメと伝統と。魅力いっぱいの宮城旅」をお読みいただいた読者さま限定に「宮城県・白石名産の佐藤英雄名人こけしと、佐藤清治製麺の温麺のセット」(3,000円相当)を、抽選で3名様にプレゼントいたします。全国のこけしファンから長年愛され続けてきた宮城伝統こけし。今回の佐藤英雄名人のこけしは、白石蔵王の「弥治郎こけし」と呼ばれるもので、上品な雰囲気とかわいらしい表情が特徴です。同じ白石蔵王の特産品である温麺(油を使用しない素麺の一種)のセットをお土産にご用意しました。応募要項をご確認の上、ふるってご応募ください。

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癒しとグルメと伝統と。魅力いっぱいの宮城旅【後編】

撮影・取材/クラブミシュラン 岡久加苗(ぐるなび)

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