特集

ぐるなび

東京都内の“おいしい”探訪記

2017.10.4

「料理人がするべきなのは、自分の作りたい料理をアピールすることではなく、お客様が好むものを計算すること。胃袋を読むことが僕らの仕事だと思うんです」

釜竹 店主 平岡良浩

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行列ができる人気店だが、時間をかけて調理することを守り続ける

間もなく、文化の日がやってくる。芸術の秋を堪能するのに上野はぴったりの場所だ。美術館や劇場など、芸術鑑賞をする場が数多く、鑑賞後に少し歩けばいわゆる「谷根千」にたどり着く。一昔前の下町の風情が残る谷中、根津、そして千駄木は近年人気のスポットだ。

芸術の余韻に浸りながら少し遠回りをしたい。そんな折に、とっておきの場所を紹介するならば、根津にある釜揚げうどん専門店「釜竹」はいかがだろうか。「うどんと芸術?」などと少し疑問を抱くかもしれない。しかし、そんな心配はすぐ掻き消えるだろう。静かで穏やかな住宅街を歩いていると突然、青々とした生垣に囲まれた古い石蔵が見えてくる。

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芸術散歩に立ち寄りたい理由のひとつは、この建物もまた芸術作品だからである。明治43年に建てられたこの蔵は、建築家・隈研吾氏の手により改築された。店内は蔵の内装をそのまま活かした掘りごたつの座敷席と庭園を臨める広いダイニングとに分けられ、異なる風情を感じることができる。

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もうひとつの理由は「釜竹」に流れる雰囲気にある。行列ができるほどの人気店だが、店内に流れる空気は穏やかでくつろげる。メニューには旬の食材を使ったおつまみや、日本酒にワインなどのお酒がずらりと並び、食事をしながら思索にふけったり、友人と語り合う時間を楽しめる。

この余裕のある空気は、店主 平岡良浩氏が生み出すものだろう。メディアに取り上げられるたびに行列ができたが、平岡氏は「そこで余裕をなくして、いい料理を作れなくなったら、お客さんは離れてしまいます。お待たせしてでも、きちんと時間をかけていいものを作る慎重さは守りたかったんです」と語る。慌てず、丁寧に調理をする。その姿勢が店全体の落ち着きを保っている。

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