

東京都内の“おいしい”探訪記
2018.6.13
【スブリム】北欧とフランス、日本のエッセンスが融和した美しきイノベーティブ
「新しいものを発信していきたいと思っていますが、根本にあるのは素材の持つ力を引き出すという、料理の本質です」
Sublime シェフ 加藤順一
国籍にとらわれず、伝統的な料理にオリジナリティを取り入れた新たなスタイルとして注目される料理カテゴリ“イノベーティブ”。『ミシュランガイド東京 2018』に2年連続の一つ星として掲載された「スブリム(Sublime)」もそのカテゴリの店の一つだ。2015年にオープンした「スブリム」は昨年8月、東京 新橋から数々の名店がひしめくこの東麻布に移転してきた。

麻布十番駅から程近い、閑静な住宅街の一角。大きな木目の扉を開けて店内に入ると、まずその光景にハッとする。客席全席から臨めるオープンキッチン。そしてその奥の大きな窓からは新緑の青々とした木々がのぞき、窓からは光がたっぷりと差し込み、都心にいることを忘れてしまいそうなほどの朗景だ。木を基調とした店内はモダンなインテリアに統一され、テーブルや席の間隔が広く、ゆったりと過ごせるように工夫されている。

そんな爽やかな店内の中央、ステージのようなキッチンでテキパキと休みなく立ち回っているのは、シェフの加藤順一氏である。

お菓子への関心から食に興味を抱くようになったという加藤氏。辻調理師専門学校の在学中、留学したフランスで訪れたパリで、日本人シェフ吉野 建氏がオープンしたレストラン「ステラ マリス(STELLA MARIS)」の料理に感銘を受け、帰国後は、オープンしたばかりの「タテル ヨシノ(tateru yoshino)」で料理人としてのキャリアをスタートさせる。日本のフランス料理の先駆けであり、フランスでも認められた日本人シェフのもと、加藤氏はオーセンティックなフランス料理の技法や食材へのアプローチ方法を学んでいった。
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