

東京都内の“おいしい”探訪記
2019.3.7
良質な神戸牛を多彩なアレンジで味わう 肉割烹【上】
「肉割烹は、表現できる範囲を最大限広げられるのが魅力。一番おいしいタイミングでお出しできるカウンターで、ライブ感を味わって欲しいです」
肉割烹 上 大久保丈太郎
2017年8月にオープンし、『ミシュランガイド東京 2019』で一つ星としてあらたに掲載された西麻布の肉割烹「上(じょう)」。料理を司るのは、 銀座の割烹店で研鑽を積み、焼肉店グループのメニュー監修を指揮してきた、大久保丈太郎氏。
店名の『上』という一文字には、“極上の食材、至上の技、上質な空間でのおもてなし”と、すべてにおける“最上”という意味が込められているという。

西麻布の交差点から路地に入り、地下の扉をくぐると、一瞬、寿司屋とも見紛うような白木のカウンターが目に飛び込んできた。それもそのはず、大久保氏は設計段階から「寿司店のような、お客様と店との身近な距離感を意識した」と話す。
「お客様が調理する焼肉とは異なり、肉割烹では料理において表現できる範囲も広げられるのが魅力でした。一番おいしいタイミングで出せる、この距離感が大切なんです。“肉割烹”というコンセプトのもと、お店の形を考えたときに、浮かんだのはカウンターメインのお店。調理工程がすべて見えるようにしたかったので、お客様と同じ目線になる高さのオープンキッチンにしました」

「生産者にこだわった、本当においしい神戸牛を食べてもらいたいというのが軸にあるので、やはりメインにはステーキをお出しします。評価の高いステーキ屋さんは、窯でステーキを焼いているところが多いのですが、一般的には扉があって密閉されてしまう。せっかく目の前でライブ感を楽しめるオープンキッチンにするなら、中でお肉がどんな風に焼けていくかもお客様が見えるように、設計段階からオープンスタイルの窯にできないか相談しました」

花形となる焼き場は、カウンター(全6席)のどの席からも見える中央に。そこに設えられた特注窯は、もとはピザ窯を作っていたという職人によって、内側にしっかり熱をもつレンガの壁が採用され、扉をつけず、密閉されていなくても、熱がこもるよう設計された。さらに、この炭焼き用の窯は、右の焼き場で高さを調節でき、左の焼き場では直火が行えるというこだわりの作り。肉のたたきや、串焼き、野菜を焼くなど応用が利くため、肉割烹という独自のスタイルに幅を広げてくれる。
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